そうそう先日のこと、ちょっと良さげな日本料理店に行く機会がありました。
すると、店の玄関先の足元に時々見かける「アレ」を発見!

それは、小皿にこんもりと盛られた「塩」。

飲食店などの開店時刻近くに行くと、玄関先の小皿の上に塩がピラミッド型に盛られているのを見かけたことありませんか?
これってどんな意味があるのでしょう?

そこで、この記事では飲食店の玄関先に塩が盛られているのはなぜなのか?
その由来について調べて見ました。

飲食店の店先に置いてある「盛り塩」の意味

盛り塩

この「こんもりと盛られた塩」は、いったい何の意味があっておかれているのでしょうか?

  • 商売繁盛のおまじない?
  • 入り口や店を清めるための塩?
  • それとも「うちの店は味がいいよ!」ってことを知らせるため?

僕はこんなことを考えてしまいましたが、答えはどれも違いました。
実はこの「盛り塩」、客を引き寄せるためにおくのだそうです!

店先に置く「盛り塩」の由来

これは中国の故事に由来する「縁起担ぎ」のためのものなのだそうです。

昔の中国の皇帝達は、多くの「側室」がいて一人一人に家を与えていました。
側室とは、現代でいうところの「愛人」のような存在でしょうか。
ま〜羨ましい限りですね。

そして、毎夜毎夜と、「その日の一夜を共にする側室の家」に牛車にゆられて通っていたそうです。
しかし、側室の数も多い上に牛車が進んでいくスピードはとても遅かったそう。

なので、とても「一晩に何件もの側室の家を回る」なんていうわけにはいきません。
ということから、皇帝から熱心に愛される側室の数は自然と限られていきます。

そこで、あまりにも自分の家にこない皇帝が、どうすればくるようになるかと考えた側室がいたのです。

  1. ① 皇帝がまるで自分の家に来なくなった

  2. ② 側室なげく
  3. ③ 側室考える
  4. ④ 出てきた答えが「盛り塩」

上記のような、4STEPで「盛り塩」を編み出したのでしょうか⁈
まぁ4ステップではないにしろ、思考のロジックはこのような感じだったのでしょうね。

将を射んと欲すれば先ず馬を射よ

この「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」ということわざを引用するかのように側室は動いたのです。

皇帝の牛舎が、自分の家の前を通る時刻を見計らっておいて、牛の大好物の「塩」を自宅の門の前においたのです。
すると、皇帝が家の前を通り過ぎようとしたとしても、牛は大好物の塩を目に前に立ち止まります。

こうなっては、押しても引いても動きません。

皇帝は、盛り塩を置いた側室の家に行くしかなかったというわけです。

牛って塩が大好きなの?

「牛が塩を好きだ」というのは初耳ですが、本当なのでしょうか?

調べてみると、牛に限らず、草食動物は塩分が必要なのだとか。
ということからも、この中国の故事の時代から考えると次のようなことが想像できるそうです。

現代のように「牛の栄養を考えた牧草」を与えられていたのではないので、塩があれば必要にかられて舐めていたのでしょう。

それにしても、自分が愛されるために、回り回って「牛の大好物の塩」に発想が行き着くとは!

古今東西、女性はとても「したたか」なのですね。